
次世代を担う子どもたちの健やかな成長を支援するとともに、ひとり親家庭並びに寡婦の生活の安定と福祉の向上を目指して研修討議を行い、組織の充実強化と更なる自立の促進を図ることを目的として、この大会を開催します。
メインテーマ:(全国統一活動テーマ)「つなごう人の輪、守ろう地域の輪」
主催:一般社団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会
中部地区6県・近畿地区9団体母子寡婦福祉連合会
公益財団法人 富山県母子寡婦福祉連合会
後援:富山県・富山市・社会福祉法人富山県社会福祉協議会
協賛:名鉄観光サービス(株)・(株)堀内八郎兵衛・ゼンミ(株)・うえの商店
(一社)富山県薬業連合会
期日:令和6年10月27日(日)12:50~17:20 研修大会
令和6年10月28日(月)8:30~13:00 エクスカーション
会場:富山県民会館ホール

全国大会(富山)に参加して
雲仙市母子寡婦福祉会 新垣由美子
10月27日に富山市にて令和6年度全国母子寡婦福祉研修大会が開催され参加させていただきました。
こども家庭庁ひとり親家庭等支援室室長による行政説明とシンポジウム形式の研修討議が主な内容となっていました。
全国統一活動テーマの母子に関するテーマとして『目指そう自立、活かそう支援策』、ひとり親・寡婦に共通するテーマとして『未来へつなぐ、世代の輪』、ひとり親家庭の子どもに関するテーマとして『すべての子どもに安心と希望を!』がありますがそれぞれのテーマに対して二人ずつ計6人の発表がありました。どの発表も自分の経験に基づいた心からの言葉で聞き手の気持ちを揺さぶるすばらしいものでした。すべてについて書くと長くなってしまいますので私が一番心に残っている発表について紹介したいと思います。
栃木県代表の古川さんは夫のDVから逃れるため三人の子どもを連れ家を出、実家に戻ることもできなかったため車中泊しながら子どもを学校に通わせていた時期もあったそうです。その後、離婚が成立し一番上の子が高校に入学しますが入学する前から「防衛大に進学したい」という夢を持っていたそうです。高校の先生からは「うちの高校から防衛大に進学するのはかなり頑張らないと難しい」と言われていましたが本人の希望はぶれることなく最後まで防衛大志望で「夢を応援基金」の奨学金を受けながら勉強を頑張っていたそうです。二番目の子は性別は女性ですが、心が男性というジェンダーギャップの悩みを持っていました。一時は学校を休みがちになることもあったそうですが、古川さんが同じジェンダーギャップの悩みを持つ人たちの交流会があることを調べ、子どもと一緒に参加していくうちに自分らしく過ごせるようになり精神的にも落ち着き学校にもいけるようになったそうです。その会に参加したこともですが、子どものために一生懸命何かしてあげたいというお母さんの行動が子どもの心に響いたのではないかと感じました。
三番目の子は離婚した父親のことを聞く学校の先生がおり、その先生から逃げたくて教室を飛び出したり暴れたりすることが続いたそうです。学校から「この子は知的障害ではないか、検査を受けて下さい」と言われ病院で検査を受けたところ異常なし。でも薬が出たので飲んでいたところ目から光が消え笑顔がなくなってしまったそうです。母子会の先輩たちに相談しイベントに参加したりすることで少しずつ自分らしさを取り戻してきたとの事。三人子どもがいれば三通りの子育てがあります。その時その時で子どもたちと向き合い一つずつ悩みと戦っていった古川さん。
古川さんは「子どものことを信じ、120%の力で子どもを応援し社会貢献できる人間に育て上げることが私の夢」と話しておられました。
最後に「一番上の子はこの春防衛大に合格しました。」と言われたときには自然に会場から拍手が起こりこの親子を応援したいという会員の皆さんの気持ちが一つになったように感じました。
他にも、頑張って資格取得し収入が上がったことで児童扶養手当が全額停止してしまった方、DV被害者の子どもさんからの共同親権に対する反対意見、フードバンクや学習支援事業のコーディネーターをしている方のお話等もあり多岐にわたった意見を聞くことができました。大変貴重な体験をさせていただき感謝するとともに自分には何ができるのだろう、と考えさせられる研修大会となりました。